認知症の親とともに生きる 3 〜携帯電話が生命線

家族

養護老人ホームに入所している母。

母から毎日10〜20回くらい、電話がかかってきます。

天草で母をいつも面倒見てくれていたいとこにはもっと多い回数の電話がかかってきてるようです。

 

 

「バスに乗り遅れたから、今日はここに泊まる。明日は帰る」

「●●は変わりはないか?」(●●は、実家の地名。わたしはそこにはいない)

「お父さんがご飯食べられない、ばあちゃんがいるから、帰らないといけない」

「家に帰りたいから、連れに来てくれないか」

「腰が痛くて、通院している病院が提供してくれるタダの宿泊所に泊まっている」

などなど。

 

とにかく、

  • 今の自分は平時じゃない
  • ご飯も食べられて、自宅とは違うところに泊まる(というぜいたく)
  • 家族が家に待っているのに家事などをしない自分を申し訳なく思い、自分で勝手に理由付けする

といったことを電話でしゃべりたくてしょうがない様子です。

 

わたし以外の子どもや親戚にも電話をしまくっているのですが、別の設定で違う話をしているようです。つまり、相手ごとに違う言い方をしているようです。

 

 

そんな母ですが、ある日、全然電話がかかってきませんでした。

おかしいな。確認のため電話してみるか。

でも、いとこから「最近、ホームのイベント(他の入所者たちとの交流など)によく参加するようになった」という話を聞いていました。

なので、もしかしたらイベントかなにかに参加して楽しくしているかもしれない。

それを中断させるのはよろしくない、だから、かけないほうがいいか、くらいに思ってました。

 

次の日、ホームに「電話がなかったけど、なにかありましたか?」と電話をかけようとしてたら、逆にホームから電話あり。

「お母さんの姿が見えなくなって、園内を探したけど見当たらない。みんなで探して、バス停にいるところをようやく見つけました」

とのこと。

 

とことん、自宅に帰りたいようです。

で、携帯もなくしていたようです。

携帯電話がなくて、誰とも話ができず、帰宅したい意識からバス停まで言ってたようです。

 

携帯電話は、認知症の母とわたしたちを結ぶ生命線のようです。

「3ヵ月は落ち着かないものです。頑張りましょう」

養護老人ホームのスタッフの方の言葉を信じて、これからも母を励まし続ける必要がありそうです。



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