※この記事で「システム化」という表現がたくさん出てきますが、広義・狭義、いろいろ出てきます。
仕事をシステム化する、ということについて書きます。
作業のシステム化
人の頭で考えないといけないこと以外、単純作業的な仕事はシステム化(ここではコンピュータ処理、ITシステム化といった意味です)をしますよね。
そうすることで膨大な業務の正確かつ効率的な処理を行い、人は頭を使って行う作業に負荷をかけることができます。
仕事がより高レベルになる、ということです。
このようなシステム化は歓迎です。これを「良いシステム」としておきましょう。
システム化による後退
普通、システム化すれば、仕事は効率化します。業務品質のレベルが上がります。
いや、その逆で、効率化、レベルを上げるためにシステム化するということですよね。
でも、その目的を果たさない、むしろ後退する場合もあります。
- そのシステムを入れたがために、それまでの業務が滞る
- そのシステムそのものが大きな負荷を生んでいる
- システムそのものがストレスフル
等など。
システム化、私の経験
今や、パソコンやタブレットなど、ITガジェットを使わない仕事はないと言ってもいいでしょう。
ですので、上に書いたような、良いシステム・悪いシステムの経験は多くの人が持っていると思います。私もそうです。
一方、私は技術者じゃないですが、業務のシステム化に携わった経験があるので、それも含め、良いシステム・悪いシステムについて感想を書いてみます。
システム化の真髄とは
私が携わったのは、それまでほぼ手作業に近いレベルで行っていた業務のシステム化です。あまり詳しくは書けませんが、給与計算のほんの一部を担う機能、それとデータベース的な機能をあわせもつものです。
その仕事をしていれば、多くの人がシステム化、効率化をしなければ、と考えるものです。また、システム化もイメージがしやすい(と私は思っていた)単純な仕組みです。
なので、システム化はそう難しいことではないと思っていました。
が、その見通しは非情に甘いものでした。
私の役割は、実務を担う社員をとりまとめ、システム化を請け負うシステム屋さんとの間で調整をするというような役目でした。
最初に、というか、システム化のほぼ全体は、業務そのものの分析、分解でした。
- その仕事の最初のスタートはどこか
- この作業は何のためにやっているのか
- どの部分が効率化(機械化)できるか
- このデータはどこからどこに行くのか
などなど、システム屋さんからどんどん聞かれ、体系化するというものです。
これは意外でした。システム屋さんは機械、IT機器に詳しく、たちどころに作業をシステム化していくものだ、と思ってましたが、それより前に、業務そのものの理解・分析をしなければシステム化なんてできないのです。
私自身がそうでした。このシステム化の作業を通して、私自身が最もその業務の再認識をすることになったのではないか、と思います。つまり、システム化以前の状態では、その業務の真髄をわかっていなかったのでした。このシステム化に遅延や停滞があったとしたら、その最大の原因は私の未熟さだったと思います。
全体を100とすると、いわゆる狭義の(ITという意味での)システム化の部分は20くらいで、残りは業務の分析・分解ではなかったか、と記憶してます。でも、その80が決まれば、あとはスイスイと進みました。
そして、完成したシステムは、(いわゆるホスト系でしたので自ずと限界はありましたが)長く活用され、相当に業務の効率化に貢献したと思います。
悪いシステム
自慢っぽく書きましたが、そのつもりはなく、システム化は要は業務そのものの理解が必要という体験です。
「悪いシステム」は、これがなされていないのではないか、と感じます。
社内外のいろいろなシステムを経験する中で、そのシステムの操作や画面の遷移、インターフェースなど、
このシステムは、あまり業務のことがつかめていない感じがする
ということが往々にしてあります。そういうシステムは、人力の部分での負荷が高く、ストレスフルです。
一方で、ストレスフリーで、業務そのものの効率や質が上がるシステムは、その業務全体をしっかりと包み込み(分解・分析され)、操作しやすい仕組み・インターフェースで、適切な処理がなされている、と感じます。
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