いまさらながら、なぜM-1グランプリ(以下、M-1)なんでしょうね。終了してもう4年も経つんですけどね。
—
—
私にはまだ現役なんです。今でも続いてるんです、M-1。
というのも、うちの車にはM-1のDVD(購入したもの、テレビ放送をダビングしたもの)が載せてあり、ほぼいつも、M-1が流れているからです。
子どもが好きなんです。デフォルトでDVDが流れるんです。車の中では、観ていないと気が済まないんです、うちの息子。
大好きだったM-1
そもそも、私が笑いを好きなんです。詳しくはないけど、好きなんです。
なので、M-1も楽しんでました。私が好きだったM-1を、子どもも好きになったということ。
薄給の私が過去に買ったことのあるDVDは全部でふた桁にもいかないと思いますが、そのうち2枚がM-1です。
そんなわけで、これまで、言いたくても胸のうちにしまっておいたM-1に関することを、ほぼ全部書いてしまいたいと思います。
評価のあり方
M-1はガチのイベントだと思ってました。
純粋に、予選から最終決戦まで、投票のみで決まるものでした。だからこそ、「M-1ドリーム」が生まれたのでした。
が、それが裏切られたと感じられることがざっくりと言うと2回ありました。
1回目は、第1回大会。
実際の放送を観ていないので間違っているかもしれないが、ずいぶんと中川家(第1回優勝)に傾いた、偏っていた採点ではないか、という評価結果。
第1回はポイントの付与の仕方が関西寄りだったのではないか、と言われてます。(その後は採点方法が変わりました。)
また、実力では上、との下馬評だった(私も好きだった)ますだおかだが優勝しなかったのはおかしい。「吉本寄りの出来レースだったのでは?」という話題も出ちゃいました。(出来レースとは、優勝がもともと決まっていて、その優勝のために開催する大会といった意味でしょうか。今回で言えば、吉本に所属する漫才師が勝つように設定されているということ)
まあ、第2回大会でますだおかだはしっかり優勝を勝ち取ってくれたので、この点では溜飲を下げましたけど
(漫才のスタートの部分で「松竹のますだおかだです」と自虐的な、そして第1回の採点でいろいろ騒ぎがあったことをさらりと触れながら自己紹介という、粋な導入部分)
漫才じゃない、というコメント
ザ・プラン9が、史上初の5人組で出場。そこそこ面白かったと思いますが、これに対しある審査員が、
「果たして、これを漫才とみていいものか」
と言っていました。
漫才かどうかは、M−1の定義ではない。初期の頃、M−1は、マイクの前でふたり以上がしゃべるという定義しかなかったはず。だから、どうでもいいはず。
実際、他の審査員は、高評価。
「2人でやるのも難しいのに、よく5人でおもしろくやっていた」
「5人で縦の動きを使ったのが面白かった」
などとザ・プラン9を高く評価していました。
第10回(最終回)に出場したジャルジャル。鮮烈なネタは面白かったと思うが、「これは漫才なのか?」と評した審査員が多かった。繰り返しになるが、M-1は「漫才じゃなきゃいけない」ルールはないはず。その漫才さえも定義ははっきりしない。
評価がブレてしまった
決勝は、その前の8組+敗者復活1組の最終予選でのネタ、ポイントは全く無視し、決勝でどれだけ面白かったかで評価することになっているはず。
でも、そうではない評価になったことがあった。第10回の笑い飯。
ダウンタウン松本人志が「(これまで)こんだけ頑張ってきてくれたから、1票入れた」という主旨のコメントをしました。最後の最後に優勝した笑い飯をたたえる話は、否定する必要はないかもしれません。が、これは非常に違和感。
その場その場でのネタの面白さ、ウケたかどうかが審査の基本的考えであるはずなのに。こんな場に論功行賞はいらない。
やっぱり、主催者のひとり吉本興業が自社のタレント可愛さに高い評価にしたのではないか、と思いたくなります。
ちなみにこの回の、M-1らしさの価値は、スリムクラブ。圧倒的に面白かった。
Wボケというキャッチフレーズ
笑い飯に対しての「Wボケ」というキャッチフレーズはM-1で定着したように思います。
ワタシ的には、Wボケは他にもたくさんいると思います。すでにいなくなった、解散した、あるいは現役も含め、Wボケの至高の面白さを持っているのは、Wヤング(初代、2代目含め)です。
初代Wヤングの時代に私は小学生でしたが、ゲラゲラ笑い転げてました。
「Wヤングの相方(中田)が死んでなかったら、Wヤングが天下をとっていた」という説がありますが、それは間違いない。
(「喜多哲士のぼやいたるねん」のURL変更に伴い、リンク先修正 2021/03/13)
M-1の価値「M-1ドリーム」
これまで、M-1に対して批判的なことを書いてきましたが、大会全体に対しての私の感想は、このイベントがあってよかった、ということ。
ブラックマヨネーズ
関西では実力者として認知されていたブラックマヨネーズが、M-1で圧倒的評価(「オーソドックスなスタイルでこれだけおもしろいとは(驚いた)」大竹まこと など)を得たのは、M-1ならではのガチの競争スタイルが産んだスター。
才能があり、面白い彼らが全国に放たれたのは非常に大きな起点となりましたよね。
サンドウィッチマン
敗者復活で決勝に進出しました。
敗者復活とは思えないほど笑いを勝ち取っていて、圧倒的な評価で優勝。
オール巨人いわく、
「なぜ彼らが、(敗者復活ではなく、通常の)決勝進出ではなかったのか」(それほど、面白かった)
と評しました。予選の評価のあり方にも疑問が投げかけられる事態となりました。
スリムクラブ
M-1の最終回。第10回で、最も笑いをとったスリムクラブ。彼らが優勝するのが、M-1にとって最もいい幕切れだったと思います。M-1らしい大会運営が体現できたはず。
でも、笑い飯に論功行賞を与えて、しかもその後に暴力団との関係が疑われて消えていく島田紳助の後味の悪い印象を残してしまったのは残念。
お笑いに関して書いた記事をまとめました。
コメント
[…] 関連記事 ずっと書きたかったM-1グランプリのこと […]