身体表現性障害って名前、聞いたことありますか。
聞いたことあるって人は少ないと思います。私が最初にこの病名だと診断されたときには、ウィキペディアにも載っていなかったほどです。今は存在します。
私の経験をご紹介します。
わけのわからない症状、原因がわからない等悩んでいらっしゃる方は参考にしてください。
ただ、私は医者じゃないので、正確性、信憑性等々については保証しませんのでご承知おきください。
1.私の病歴
この病気を説明するのに、私が「身体表現性障害」と診断されるまでの病歴を紹介しておかないと理解しづらいと思いますので、回りくどいと思われるかもしれませんが、書いておきます。
(1)最初は「軽度のうつ」
もう10年以上もさかのぼります。とある職場に出向しました。
3ヵ月連続して60〜80時間ほどの時間外勤務・休日勤務が続きました。大変は大変でしたが、自分でも驚くほどに充実してました。ある金曜日などは、どうしてもその日に終わらないといけない作業を3〜4人でどうにか終了。終わったのは26:30頃、つまり日付が超えた土曜日未明の2:30頃。電車がないので「眠らない街」新橋に飲みに行きました。そのあとは覚えてないけど、始発の電車で帰ったのだったかなあ。
その後、人事異動があり、上司にあたる人が交代しました。それまで長時間勤務していた仕事も終わり、全くタイプの違う上司になったこともあり、仕事の環境がガラリと変わりました。
残業はほとんどなくなり、仕事を任されることもなくなりました。
その頃から、持病だっためまいと頭痛が激しくなります。吐き気もしてきます。どうにもおかしい。頭痛については過去数年間で2回のMRIを撮っていたこともあり、それなりに回復していたのですが、これです。
そこで、籍のある会社の看護職のスタッフに相談したところ、心療内科の受診を勧められました。
そのクリニックで何度かのカウンセリングを行なった結果、軽度のうつと診断されました。
- 籍のある会社では間接部門の集約などの改革が進められている
- 自分は出向していて、仕事を任されることもなく、残業もほとんどない
- 出向先の上司は(自分より年が何年も下、というのもあるが)人の上の立場に立つことが初めてで、メンバーのマネジメントが十分ではない。彼の上司からも怒られっぱなし
- 「自分はこんな場所でのうのうと時間を過ごしていていいのだろうか」とイライラしている
これらが、カウンセリングを通じて医者から教えてもらった私の姿でした。私自身では、dのこと(自分自身のこと)を自分ではわかっていなかったのですね。医者に言われて初めて「あ、たしかにそうかもしれない」と気づいたほどです。
薬を飲みながら様子をみましたが、結局籍のある職場に戻ることが一番の治療になる、という方針をすすめることに。出向先からは慰留の言葉もありましたが、そのまま留まればむしろ私がその職場になにも貢献できない、ということから丁重にお断りし、出向から復帰することとなりました。
ここでポイントなのは、自分でも気づかなかった「自分の内なる心情の変化」です。
(2)うつから自律神経失調症へ
その後、体調は改善しましたが、時々めまいは続きました。
仕事も異動(勤務地も移動)し、あらたな上司との折り合いがうまくいかず、体調が変動しました。
そこで、その地の心療内科のクリニックを受診。ここでは、自律神経失調症との診断でした。
症状としては良くなったり悪くなったりでしたが、この主治医のおかげで私は精神的には随分と楽になりました。
(3)そして「身体表現性障害」へ
さらに転勤、ここでは比較的大きな病院の心療内科のA先生を受診することになります。
ここでも、最初の診断は自律神経失調症でした。
ここでもしばらくは良くなったり悪くなったりでしたが、数年後、薬の服用は不要となりました。完治(正確には寛解ということかな)したことになりました。
体調も良くなったし、仕事や私生活の環境も悪くなかったので、このままうまくいくと思ってました。
が、その後しばらくしてまたもめまいが。
そこで、先ほどのA先生を訪ねました。正確にはA先生は別の病院に移っておられましたので、その病院を受診しました。
そこでは、あらためて耳鼻科での検査を行いました。めまい外来を標榜していまして、詳しい検査を行いました。一旦は症状が落ち着いていたこと、環境もよくなっていた(と思っていた)のにめまいが発症したことから、純粋なめまいの検査をしたということです。
検査の結果、耳鼻科的には異常はありませんでした。ですので、それ以外の要因、仕事や私生活でのストレスや社会生活としての障害の有無などが発症の原因になっていないかを探っていきます。
が、カウンセリングでもそれは見出すことはできませんでした。過去に受診していた履歴がありますし、A先生も過去から現在にいたる状況を承知してくださっています。それらを判断しても、です。
そこで、いよいよ出ます。「身体表現性障害」の診断です。
先生:まくでじさんは「身体表現性障害」ですね。きっと聞いたことないですよね、この病名。
確かに、聞いたことはありませんでした。
先生曰く。
病気の原因がはっきりわからないにもかかわらず、身体のなんらかの症状が出る状態。そういうのを医者はなんとか名前を付けなきゃいけないから「身体表現性障害」って名称で片付けるんですよ。
まくでじさんはその原因を特定したい、それを解消したいと願っていると思うけど、わからない場合、あるいはなにもない場合もあります。
まくでじさんは、その原因が特定できません。その症状をおさえるしかないけど、それでいいんです。気にしないでやっていきましょう。
これが、この時点での身体表現性障害の診断でした。そして、今にいたります。
「医者がどうのこうの」という下りは、私を楽にさせる意図もあってのくだけた説明だったと思いますが、後半の2つの段落は時間的な経過とともに徐々に意味合いが強まっている感じがします。
2.身体表現性障害とは
長くなりましたが、以上が、私が身体表現性障害と診断される流れです。
- 原因がよくわからない、特定できない(自分自身でも思い当たることがない)
- それでも身体の不具合が出る
それが、身体表現性障害の肝なのだろうと思います。
私の状況をもうちょっと詳しく。
【症状】
- めまい、頭痛、身体が痛い(特に背中)、睡眠がしっかりとれない(だからめまいにつながるのかもしれない)
- 離人症(りじんしょうと読みます。以前以下の記事で私の症状などをご紹介してます)
【服用している薬】
- リボトリール(抗不安薬)
- ゾルピデム(睡眠薬)
私の身体表現性障害については、過去の履歴からも考え、睡眠をしっかりとることが必要とのことで、上記のような処方になってます。
当初は3種類で、1日2回の服用だったと思います。その後症状が軽減、落ち着いてきて、以上の2種類、1日1回(寝る前)の服用になってます。
離人症という症状は、私の場合、これらの薬の服用を忘れて寝たとき(週末の飲み会などで、疲れて寝てしまうなど)ほぼ確実に発症します。が、それがなければ、つまり薬をちゃんと飲んでいれば、離人症の症状は出ることはありません。
めまいは、週末など疲れがたまったり、車に長く乗ったあと(運転者じゃない場合)に出たりします。
“ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ”という、オリンパスのキャッチコピーがありました。
今でも残ってるのかな。
この言葉のとおり、私も感じます。が、身体表現性障害は、自分のわからないココロがカラダに作用するという不思議さがあります。
- タンスにぶつけたから指が痛い
- 寒かったから風邪引いた
- 部長が怖いから緊張する
- 有能な部下だから、安心して仕事ができる
- 緊張するとお腹がゆるくなる (・・・※)
現象がわかる、自分のことがわかる。だから●●だ。
自分では気づかない。だから関係ないだろう。
ヒトのカラダって、そう簡単なものじゃないんですね。
※…そういえば、腸が人間の脳という説がありますね。これを話し出すと終わらなくなりますので、今日はここまで。
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