えっ、客の前で?:サービス業における新人研修

2013年4月28日

私の会社はサービス業じゃない。

私の担当する業務も、サービスとは無関係とまでは言えないけど、直接的に関係するものではない。

(新人従業員の研修という点では関係があるけど。)

 

それでも、デジタルなモノに囲まれていて、あまり人と接する機会が少ないせいか、サービス業というものには関心が高い。特に接客をする仕事については、敏感である。

 

時節柄、

  • 新入社員が、研修を終えて野(労働環境)に放たれる
  • 大学生がアルバイトを始める

などという場面に出くわすことも多い。

まさにそのような場面に最近出くわし、接客業の教育について考えることがあったので、書き留めておきたいと思う。

 

1.コンビニにて

昨日のコンビニでのシーン。

店の一番奥、冷蔵庫とバックヤードの出入口にはさまれたあたりに、10人以上の、制服を着た店員が直立不動で立っている。ボクが入店すると、一斉に「いらっしゃいませ!」と大きな声で挨拶する。その集団の反対側、店の出入口あたりには、彼ら彼女らの教育係と思われる男性(教官とでも言っておこう)が、「いらっしゃいませ!」。それに呼応する感じで、反対側の集団が「いらっしゃいませ!」。なるほど、発声練習をしているようだ。

違和感があり、あたりを見渡すと、客はボクだけ。これは、研修中で、はいってはいけないタイミングだったのか、とうろたえるが、見慣れた店員が「どうぞ、どうぞ」というので、一息ついて買い物を続けた。

客が来たのだから、彼らの発声練習は止まり、通常モードに移ると思いきや、発声練習は止まらない。さらには、個人の発声練習が始まった。
「もっと出るよね」「まだいけるね」と、教官に促されながら、一人の若い店員が声を大きくしていく。その次は、この店に長く勤めているおばちゃんに練習の順番が回る。居づらくて、しょうがない。

早く店を出たいと、急いで買いたいものを選び終えたボクはレジへ。発声練習はまだ続いている。空だったレジに、「研修中」の名札をつけた若い店員がはいり、ボクのレジを打ち始める。

ボク「研修中なんですね」 店員「そうなんです」

研修中の割りにはスムーズにレジを終えた彼女。

ボク「レシートを」 店員「捨てちゃいました」
よく聞き取れなかったので「あの、レシートください」 店員「捨てちゃいました」

えーっ、何それ。発声練習に気が散り、店員がレシートを捨てるのを見逃したボクも悪いが、レシートをどう扱うか、習っていない(or 習ったけど実践していない)店員も悪い。

 

2.ファストフードにて

今日の、某ファストフード店にて。

レジを終えたボクが、後ろに下がって品物が出るのを待っていると、そのレジをしてくれた店員が、ベテランらしき店員に教育(というか、今のレジではこうすべきだったという注意)を受けている。こちらに聞こえない程度に、穏やかにやっていたので、あまり気にはならなかったが、そう言えば思い出した。

数年前、ここと同じブランドの別のお店で、同じく品物を待っている時のことを思い出した。その店の(店員ではない)社員と思われる制服を着た女性が、ビデオでレジ周りを撮影していた。しばらくの後、その女性はカウンターの中にはいっていき、その映像を他の店員らと見ていた。

多分彼女は、レジでの店員の対応の様子を撮影し、教育に使っていたのだろう。それは立派なことだが、彼女が撮影している間、その女性の撮影の影響で、他の客が邪魔に感じている様子をボクは見た。

おもてなし向上の取り組みが、一人の客を台無しにしていた。帰宅してボクは、そのチェーンのWEBサイトから、「撮影が他の客の邪魔をしてました。撮影全体の様子も、見苦しい印象が感じられました」と、いち客として報告をしました。「大変失礼しました。教育とはいえ、お客様方にご迷惑をおかけいたしました。以後は注意します」という返答だったと記憶している。

 

3.某料亭にて

これらよりずっと昔、ブルドーザーと言われた元首相が常連だったと言う、某高級料亭で宴席に出たことがある。それはそれは素晴らしい時間だったが、唯一残念なことがあった。

我々客のいる座敷。ベテランの給仕の女性が若手の女性に、客に見える聞こえる形で、注意・研修をしていたのだ。客に失礼をし、その場で客に謝罪し、その注意をする、というものではなく、我々にはわからない程度の話をしていた、と思う。だから、奥に下がって、客のいないところでやってくれるなら、何の文句もなかった。でも、客の前で研修をするものだから、その店の印象が一気に落ちてしまった。

 

 

もう言うまでもない。接客について、そのレベルを向上させるための取り組みはどんどんやってほしい。しかしながら、客の目の前でやられると興ざめしてしまう。研修も、やっていい場面とそうでない場面がある。

客の側にたってみれば、当たり前のことだと、接客業に携わっていない私でもわかるのだが。

そんなこともわからないようなら、これらのお店・企業の将来性もいかがなものか。2のお店は、最近業績が奮っていない、と報道されているが、さもありなん。